医師の本棚

30代の男性医師。読んだ本の感想や医療情報、医学部受験のことを思うままに書きます。

コロナウイルス 妊娠中

コロナウイルスって妊娠中に感染したらどうなるのか?

これから生まれてくる子供は大丈夫か?

妊婦の方は気になってしょうがないと思います。

もちろんまだまだ不明なことが多いのですが、超一流誌のThe Lancetにコロナウイルスの妊婦に関する論文が投稿されたので紹介します。

「妊婦さんのおなか」の写真

こちらが元のLANCETの論文になります。

 The Lancetの論文の解説

内容 
  • コロナウイルス肺炎の9人の妊婦 (2020/1/20-1/31)
  • 生まれた9人の胎児は異常なし。様々な検査をしたが感染は証明されなかった。
  • 妊婦が肺炎になった場合でも、非妊婦が肺炎になった状態と症状は大きな違いはなかった。
結論
  • 現時点では子供への感染は証明できなかった。

この論文では、あくまで証明できなかったとしか述べていないことに注意して下さい。

胎児に感染しないとは書かれていません。

妊婦のコロナウイルス感染が妊娠第何週かにもよるし、そもそも9人という非常に小さな集団です。

妊娠初期に感染した場合は調べられていません。

産道感染に関しては、十分に調べられなかった。

などのLimitationがあります。

 

The Lancetは誰でも無料で読むことができます。

上の論文の要約 (Abstruct)をグーグル翻訳にかけたものを下に貼ります。

 

Abstruct (Google翻訳)

バックグラウンド

2019年の新規コロナウイルス病(COVID-19)による肺炎アウトブレイクに関する以前の研究は、一般集団からの情報に基づいていました。 COVID-19肺炎の妊婦のデータは限られています。この研究の目的は、妊娠中のCOVID-19の臨床的特徴とCOVID-19感染の子宮内垂直感染能を評価することでした。
方法

臨床検査で確認されたCOVID-19肺炎の9人の妊婦(すなわち、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2陽性の母体咽頭スワブサンプルを含む)の臨床記録、検査結果、および胸部CTスキャンを後ろ向きにレビューした[SARS-CoV-2] )2020年1月20日から1月31日まで、中国武漢にある武漢大学中南病院に入院しました。子宮内垂直感染の証拠は、羊水、臍帯血、および血液中のSARS-CoV-2の存在を調べることにより評価されました。新生児の喉の綿棒のサンプル。母乳サンプルも収集され、最初の授乳後の患者からテストされました。
調査結果

9人の患者全員が、妊娠第三期に帝王切開を受けました。 7人の患者が発熱した。咳(9人の患者のうち4人)、筋肉痛(3人)、のどの痛み(2人)、およびmal怠感(2人)を含む他の症状も観察されました。胎児の苦痛は2つのケースで監視されました。 9人の患者のうち5人がリンパ球減少症を患っていました(Lあたり1×10×10細胞)。 3人の患者はアミノトランスフェラーゼ濃度が増加していました。 2020年2月4日現在、重篤なCOVID-19肺炎を発症した患者も死亡した患者もいなかった。9人の出生が記録された。新生児では新生児仮死は観察されなかった。 9人の生児はすべて、1分間のアプガースコアが8〜9、5分間のアプガースコアが9〜10でした。 6人の患者からの羊水、臍帯血、新生児の咽頭スワブ、および母乳サンプルのSARS-CoV-2の検査が行われ、すべてのサンプルのウイルス検査結果は陰性でした。
解釈

妊婦のCOVID-19肺炎の臨床的特徴は、COVID-19肺炎を発症した非妊娠成人患者で報告されたものと類似していた。この小さなグループの症例からの知見は、妊娠後期にCOVID-19肺炎を発症した女性の垂直感染によって引き起こされる子宮内感染の証拠が現在ないことを示唆しています。

 

この方法は誰でも簡単に上質な情報ソースを得ることができるのでオススメ出来ます。

pubmed→ COVID-19で検索。

 

他にも日本産婦人科感染症学会も信用のおける情報ソースだと思います。