医師の本棚

30代の男性医師。読んだ本の感想や医療情報、医学部受験のことを思うままに書きます。

レゴラフェニブ

レゴラフェニブ(商品名 スチバーガ)

マルチキナーゼ阻害剤という分子標的治療薬です。

分子標的治療薬とは、通常の抗がん剤と違い、癌細胞と正常細胞の違い(すなわちがんに特異的機構)を標的として腫瘍抑制効果を示す薬剤です。

適応は大腸癌、消化管間質腫瘍、肝細胞癌などに対して使用します。

 

  • 大腸癌:三次治療以降に投与

大腸癌は一次治療、二次治療は5-FUベースとオキサリプラチン 、もしくはイリノテカン併用のレジメンになります。一次治療、二次治療が終了してから使用する薬剤になります。

  • 消化管間質腫瘍(GIST)

イマチニブ→スニチニブ→レゴラフェニブの順に投与されます。

肝細胞癌の化学療法は最近テセントリク+アバスチンが注目されています。

優先順位は低いですが、レゴラフェニブも適応があります。

用法・用量

通常、1 日 1 回 160mg を食後に 3 週間連日経口投与し、その後 1 週間休薬する。これを 1サイクルとして投与を繰り返す。 なお、患者の状態や副作用により適宜減量する。

レゴラフェニブの副作用

手足症候群(手のひらや足底の痛み・赤く腫れあがる・皮膚がむける・水疱など)

下痢、食欲減退、疲労発声障害(シャガレ声)、高血圧、発疹、脱毛、口内炎、疼痛

などの症状があります。

実際に投与している感覚としては皮膚が荒れることで不快感を感じて継続が困難になっている人が多い印象があります。

実際の位置付け

大腸癌では三次治療以降に投与されることが多い。

一次治療、二次治療がfailureした後に投与される。三次治療はロンサーフとスチバーガ (レゴラフェニブ)が同等の位置付けになっています。

重要な点は病状が進行して使う機会を失わないようにロンサーフとスチバーガ を使い切るというのがポイントと言われています。