手術はどの病院がオススメか?
胃がんや大腸がん、食道がん、膵臓がん、他にも乳がん、子宮がんや卵巣がん。
手術の適応となるがんは数多くあります。
一生を左右する手術です。病院選びで失敗しない様にしたいのはみんなが思うことでしょう。
どの病院で手術を受けるのがベストだろうか?
大学病院、癌センター、市民病院などの公的病院、私立病院。大まかに4種類となりますが、それぞれの特徴を考えてみます。
大学病院
大学病院に関しては良いイメージがない人も多いかもしれません。
ドラマなどでは教授は権力、金の亡者で悪者のイメージで描かれていることが多いかもしれません。また、手術は下手という設定が多いかもしれません。しかしながら、最近の教授は手術が下手だと教授になれない様に思うし、技術を買われて教授になるケースも多いと思います。しかも教授が手術を執刀するとは限らないです。
とにかく、大学病院に悪いイメージを持つ必要は無いでしょう。
メリット
- 大学の特徴としては、とにかくスタッフが多いです。
- 夜間だろうが何かあっても豊富な人材のもとでなんでも対応できます。
- しっかりカンファレンスを大勢でやるので、大きな失敗はない
デメリット
- 担当医が他の施設に応援に行くことも多く、手術を受けても担当医が病院にいないことが多いです。
- 退院後に何かあっても、急には大学病院を受診できない
- 大勢すぎて責任の所在がぼやける
- 検査など、待ち時間が長くなる
がんセンター(国立がん研究センターや県立がんセンター)と市民病院などのがん診療連携拠点病院の比較
がんセンター 向きの患者
がんセンターは、治験(新しい医薬品や医療機器の承認を得るために行われる臨床試験)を実施することが重要な役割となっています。治験に登録するためには極端な背景のある患者さんは除外項目に入ってしまいます。つまり、新薬が本当に効くかどうかのテストが手術や化学療法の治療に兼ねられているので、合併症リスクが高い患者さんは対象から外されます。
変な言い方に聞こえるかもしれませんが、“元気な”がん患者を相手にするのが、がんセンターの本来の役割なのです。つまり、心筋梗塞を患っていたり透析をしていたり、超高齢の患者さんには向いていないのです。
市民病院のがん診療拠点病院向きの人
市民病院は大学病院やがんセンターと比較して、いろいろな科との連携が取りやすく、多くの合併症を抱えていても対応可能です。また、退院後も救急対応が必要な時は病院を受診する際の敷居の様なものは大学やがんセンターよりも低いでしょう。
いわゆるたらい回しに合う、という様なことは少ないかと思われます。何れにしても通常の拠点病院は個々の希望にも添い易く、がん以外の病気も一緒に対応しやすいかと思います。
不安ならセカンドオピニオンなどもお願いすると良いと思います。
気を遣って言いにくい、というよりも我々としてはセカンドオピニオンを受けて納得していただいた上で治療をする方が安心と思うことも多いです。セカンドオピニオンを依頼されたからといって気を悪くしたり、こちらの治療方針が納得いかないのかな?なんて思うことはまずないと思います。
それよりも、自分の提案している治療が間違っていなければ(間違った治療方針を提案していることは論外ですが)セカンドオピニオンも受けていただいてさらに納得してもらえると思っています。