コロナ対策 (医療の現場から)
という問題がマスコミでも取り上げられる様になりました。
基幹病院の医師、看護師が感染すると、感染した医療従事者の同僚や一緒に働いている人たちも濃厚接触者となるため、休業を余儀無くされます。
おそらく、医師が一人感染が確認されると、その科の医師全員がとりあえず休業ということになります。そうなると、例えば長期間、その病院で例えば循環器内科がストップする。
となるとその地域の胸痛患者はどこへ行けば良いのか?
という問題が発生します。よって我々医師も非常にコロナ感染には非常に気をつけています。
慶應の研修医の様なバッシングに晒されるハメになるのも嫌なので、中々休日に出かけるのもはばかられます。
具体的に困っていること
物品がなくなりつつあります。
手術の時の滅菌ガウンがこのペースで約1ヶ月でなくなるそうです。
内視鏡(胃カメラ、大腸カメラ)の時のガウンは既に備蓄がなくなりました。
滅菌ガーゼがあと2週間でなくなります。
何種類かある手術時の帽子のうちの1種類がなくなりました。
ちなみに、診療時のマスクはまだしばらくはもつようです。
対策
急がない手術は延期の電話を事務からかけてもらっています。
特に整形外科や形成外科などの領域はどんどん延期しています。
がんの手術は、待てば待つほど進行するため延期できません。よって呼吸器外科、乳腺外科は特に変わりありません。
研修医の医師は医師が足りている手術の時はガウンを着ずに外で見学してもらったりして手術時のガウンを節約するようにしています。
内視鏡のガウンは医療器具ではないものをエプロンの様にして代用したりしています。そして、おそらく異常がないと予想される内視鏡もどんどん延期しています。
あと、医師同士で集まって食事を摂らないようにと通達があります。よって食堂が閉鎖されました。食事は各々黙々と食べています。もちろん、新入職員の歓迎会などは中止です。
今後の課題
まだ病院単位で実施されていないが、実装して欲しいと個人的に思っていることはやはりオンライン診療でしょう。がんの術後の定期検診は結果説明がメインになります。もちろん実際に面と向かって身体診察も加えて検査結果(採血やCT検査)を説明すべきですが、病院の来院者を減らして、病院の本来の機能を保つことも重要です。
ですので、こんな時こそ対面診察を代用するものではありませんが、電話診療やオンライン診療は病院単位で導入して欲しいものです。
診察料をどう取るか、という点は問題となりそうですが、そこはなんとでもなるでしょう。
問題は高齢者がインターネットをうまく使えない人が多い。そして高齢者は病院が好きなのか、来院を好む傾向があります。オンライン診療は医療者が望んでも患者側がそれほど希望しない限りは実現しないです(もちろん中には希望される方もいますが)。
私個人は、飲みに行ったり、人混みは避けるようにしています。こうやって記事にしてみると辛い職場だと思いますね。
こんな生活はいつまで続くのか分かりませんが、皆さんの職場はどのような対策をとっているでしょうか?