医師の本棚

30代の男性医師。読んだ本の感想や医療情報、医学部受験のことを思うままに書きます。

不要不急の手術の延期(コロナウイルス)

病院ではコロナウイルスの影響が各所に出ています。

 

病院の通達事項で一番強調しているのは、われわれ医療従事者も感染しない様に注意しましょう、ということです。

「入手困難なマスク」の写真

理由としては、われわれがコロナウイルスに感染すると、自分だけでなく、周りのスタッフも場合によっては濃厚接触者となって自宅待機となるからです。

 

もちろん、自分も困りますが、自分や病院はもとより、その病院の患者さんも困ることが強調されています。

病院、医療従事者は社会のインフラだと再認識するに至りました。

 

具体的な対策①

不要不急の手術の延期

外科領域で不要な手術、不急な手術とはなんぞや?

と思われるかもしれません。

例として数十年間放置していた鼠径ヘルニアは不要とは言いませんが、不急でしょう。

嵌頓さえしなければ緊急性はありません。

他にはそのうち手術を受けないといけない胆嚢結石の手術、今まで繰り返すたびに抗生物質だけで治療した慢性虫垂炎

こういった手術は延期の方向になっています。

 

がんは緊急で手術する必要はありませんが、時間が経てば経つほど進行して命に関わるものなので延期の対象とはなっていませんし、するべきでは無いと思います。

 

具体的な対策②

不要不急の内視鏡の延期

内視鏡検査、いわゆる胃カメラや大腸カメラです。

検診の胃カメラは受けている人は非常に多いですが、検診なので特に急ぐ必要は無いと思われます。どうしても必要、ある程度急ぐもののみを対象としています。

 

具体的な対策③

パイロメトリー検査の中止

呼吸機能検査のことです。手術前に肺の機能を測定する目的で行うのですが、深呼吸はリスクになります。

 

消化器領域の対応はすでに上記3つは実行されています。

この様にわれわれも手術件数、内視鏡件数を減らしており寂しさも感じているのですが、仮に病院でクラスターが発生すると、その地域の住民も同じ様に困ります。

社会のインフラの自覚を持って注意していく必要があります。