医師の本棚

30代の男性医師。読んだ本の感想や医療情報、医学部受験のことを思うままに書きます。

コロナ対策 各病院での対応

コロナウイルスに対する各病院の対応はどのようなものでしょうか?

 

ニュースでよく言われているように、医療従事者がコロナウイルスに感染して、勤務をストップしてしまう自体になった場合は医療全体に負担が来ます。

特に病院の職員でクラスターが発生して、例えば外科全職員が診療停止、という自体になれば手術を受ける予定にしていた患者に負担が来るし、さらに術後に入院していた患者の回復が妨げられる、という自体になります。

よって医療従事者はコロナウイルスの感染リスクと職務のバランスを取りながら勤務する必要があります。

よく言われますが、我々医療従事者は日本のインフラであるということを再認識しました。

 

各種病院の具体的な対応を参考にして、日々の生活を見直してみるといいでしょう。「案内をする美人看護師」の写真[モデル:茜さや]

 

 

①初期研修医の勤務開始前に。

4月から勤務開始で研修を開始するピカピカの研修医の先生がたは初日は勤務開始できませんでした。まだ職務経験がないので、現時点ではインフラとしての機能を担うことはできないので(1日も早く成長する必要はありますが)まずはコロナに感染していないか確認してから勤務開始ということで初日は病院に入らず、検査のみでした。

 

②学生実習

医学部5年生、6年生はこの時期は各病院に実習に来る様になります。各大学で対応は異なりますが、学生実習は中止になっている様です。

 

③カンファレンス

外科では手術前に外科スタッフ集まって会議(カンファレンス)を行います。ある患者に対してどんな病気でどんな手術をいつ行うか?術後の患者の経過は順調か?などを会議室に集まって行います。

当初はマスク着用で今までより大きな部屋を予約して、カンファレンスを行っていましたが、それも中止されました。全員で同じところに集まるのをやめて関係者だけで少人数で症例を検討するという方針に変わっております。

 

④抄読会

多くの病院では抄読会といって、医師で集まって英語の最新の文献を担当者が参加者の医師に紹介することになっています。これによって、常に我々医師は最新の知識を取り込めるように時間を割いています。こういう集まりは真っ先に中止されました。

 

⑤昼食

昼食は、時間が合えば医師同士で集まって食べることもままあります。時間が合わないことも多いので一人で空き時間に食べることも多く、決まった時間に休憩があって、その時間に食べる、という勤務体系ではありません。なので、適当な時間にさっと済ませる医師が多いです。

そんな感じなので、医師同士で昼食を食べないように。と言われました。努力義務のようなもので罰則規定のようなものはないですが、各方面にそれぞれ影響が出ています。結構厳しいなというのが個人的な印象です。

 

⑥不要不急の手術の延期

特にそれほど急ぎではない手術などは延期されました。外科の領域でいうと、胃がん、大腸がんといった悪性腫瘍に関しては、手術をしないと徐々に進行して生命を脅かすので延期するわけにはいきません。

しかしながら慢性虫垂炎で今後の虫垂炎予防のための手術は延期されました。他にも腸の嵌頓を予防するための脱腸(ヘルニア)の手術、胆嚢炎になる可能性があるので、それを予防するための胆石症の手術、などが延期されました。症状が出る可能性があるため、予防するための手術、というのは延期されています。

 

とにかく3つの蜜を避けるような方針で医療機関も対応しています。

前代未聞のウイルスを前に、何が正解かは分からないながら、われわれ医療従事者も医療崩壊しないように、急ぎでないものは延期したり、延期できないものは対応する、など試行錯誤しています。